この記事では主婦の方がウーバーイーツで得た収入により扶養から外れてしまう場合について解説します。
外に出て人と会うことも限られているし、自転車なら体も動かせるし、ということで主婦の方が行う仕事としても浸透しつつあるのがウーバーイーツではないでしょうか。
「やってみようかな」もしくは「やってるよ」という方の心配の一つが扶養を受けられる金額についてのようです。
そこで、どのような場合に扶養から外れてしまうのか、仮に扶養から外れたらどうしたらいいのかなどについて紹介します。
ウーバーイーツの収入は主婦に限らず雑所得、または事業所得になる!?
そもそも所得には10個の種類があります。
所得と言ってまず思い浮かべるのが、勤務先から受ける給与や賞与である給与所得ではないでしょうか。
アルバイトやパートでの収入は基本的にはこちらにあたります。
一方、ウーバーイーツでの所得は雑所得もしくは事業所得となります。
事業所得とは事業から生じる所得のことで、雑所得というのは他の9つの所得に当たらない所得のことを言います。
最近よく耳にする副業による収入は、基本的にはこの雑所得として計上することが多いようです。
給与所得と雑所得・事業所得では大きく違うことがあります。
それが給与所得控除の有無です。
給与所得の場合は55万円の給与所得控除が認められています。
したがって給与として受け取るアルバイトやパートと、ウーバーイーツでは扶養から外れてしまう金額が異なるということになります。
ウーバーイーツで主婦が扶養から外れないための所得税103万円の壁
103万円の壁という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
まず、年間の収入が103万円を超えると扶養者が配偶者控除を受けられなくなります。
これが扶養から外れるという状態です。
(ただし配偶者特別控除が適用される可能性はありますので確認が必要です。)
さらに、扶養されている人も年収が103万円を超えると所得税が発生します。
ただし、この103万円は給与所得を基本に考えられています。
基礎控除(48万円)+給与所得控除(55万円)=103万円
という計算です。
基礎控除というのはすべての納税者が対象の控除で、無条件で差し引くことができます。
合計所得が2400万円以下の場合は所得税で48万円の基礎控除が設けられています。
したがって、収入が給与所得だけの場合は103万円以下であれば所得税がかかりません。
次の章ではより具体的にみていきましょう。
ウーバーイーツで扶養から外れる所得税103万円の壁の具体例
ではウーバーイーツと給与所得両方がある場合、もしくはウーバーイーツだけの所得の場合はどのような場合に扶養から外れてしまうのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
ウーバーイーツの他にアルバイトやパートの収入がある場合
まずアルバイトやパートの収入がある場合、給与所得ですから給与所得控除が受けられます。
この給与所得控除を受けたのちに残った額とウーバーイーツで得た金額の合計が48万円以下でないと扶養から外れます。
なおいくつかパートやアルバイトを掛け持ちしている場合でも同じように給与所得控除後の金額とウーバーイーツで得た金額の合計が48万円以下である必要があります。
ウーバーイーツの他に所得がない場合
一方でウーバーイーツの収入しかない場合は、雑所得もしくは事業所得になるので給与所得控除を受けることができません。
したがって基本控除である48万円以下でないと扶養から外れてしまいます。
ただし必要経費は計上することができるので、ウーバーイーツを行うにあたって直接必要だったものに関しては引くことができますよ。
ウーバーイーツで主婦が扶養から外れないための社会保険130万円の壁
103万円の次は130万円の壁が待っています。
現在、社会保険の扶養に入っている場合、ウーバーイーツの所得だけで他にアルバイトなどの給与所得がない場合、年間130万円を超えると社会保険の扶養から外れてしまいます。
外れてしまうと国民健康保険に加入することになります。
ウーバーイーツの収入は主婦も青色申告や経費を上手に活用したい!
ウーバーイーツの収入が一定以上を超えると確定申告を行う必要が出てきます。
どのような場合に申告が必要なのか、また税金対策など詳しくお伝えします。
ウーバーイーツの収入以外にも給与所得がある場合
アルバイトやパートで給与所得がある場合は、ウーバーイーツの収入は雑所得として計上し、20万円以下なら確定申告の必要はありません。
ただし住民税に関しては申告の必要が出てくる場合があります。
確定申告をすれば、住民税をわざわざ別に申告する必要はありません。
収入がウーバーイーツのみの場合
収入がウーバーイーツのみの場合は48万円以下なら確定申告の必要はありません。
これは基本控除が48万円なので、その範囲内であれば所得がゼロになります。
そのため、課税対象にならず、申告義務がありません。
ウーバーイーツの収入額によって青色申告する場合
せっかく働くならもう少し収入が欲しいという方で、収入がウーバーイーツのみの場合、事業所得として青色申告をするという方法もあります。
確定申告や青色申告と聞くと、とても難しくてややこしい印象がある方も多いかと思いますが、税金対策になる可能性があります。
必要なのは開業届と青色申告承認申請書の提出と年に一回の確定申告です。
確定申告には白色と青色がありますが、青色がおすすめですよ。
書式はすこし煩雑になりますが、控除額が大きく違い、青色申告をすると最大65万円の控除があります。
たくさん稼いでいくということであれば、事業としてしっかり稼いで、控除を受ける方がよいと思われるかもしれません。
一度考えてみるのもいいのではないでしょうか。
さらに、ウーバーイーツの収入では給与所得控除ありませんが、必要経費を計上することはできます。
きちんと証明できるように、直接かかった経費についてはしっかり領収書などを取っておきましょう。
税額が大きくなる場合は税理士さんへの相談が安心
主婦の方でも、青色申告をされる場合で、税額が大きくなる場合は税理士さんへの相談をおすすめします。
所得の額によっては、税額だけで数十万円の差が出てしまう事も珍しくありません。
税理士さんのお心当たりがない場合は、以下で紹介しておりますのでよければご覧ください。
【まとめ記事】
税理士紹介サイトおすすめランキング
税理士さんの探し方
【口コミ記事】
税理士紹介エージェントの口コミや評判
税理士ドットコムの口コミや評判
税理士紹介センタービスカスの口コミや評判
ウーバーイーツで主婦が扶養から外れてしまう場合のまとめ
所得が103万円を超えると扶養控除から外れ所得税がかかる
確定申告の有無に注意
ウーバーイーツのみの場合は青色申告
収入が130万円で社会保険の扶養から外れる
上記のようなことについて解説しました。
クドイようですが、念のためもう少しだけ詳しくおさらいしておきましょう。
所得が103万円を超えると扶養控除から外れ超えた分には所得税がかかる
(配偶者控除が受けられない場合、配偶者特別控除を受けられる可能性がある)
103万円=給与所得控除(55万円)+基礎控除(48万円)
(例)
1、パートとウーバーイーツをしている場合
給与所得控除後の金額とウーバーイーツの合計が48万円を超えると扶養から外れます。
(掛け持ちのアルバイトなどあればすべての金額を合計します。)
2、ウーバーイーツのみの場合
ウーバーイーツのみの収入であれば48万円を超えると扶養から外れます。
確定申告の有無
給与所得がある場合はウーバーイーツで20万円を超えると確定申告をする必要がある
ウーバーイーツのみの場合は48万円を超えると確定申告をする必要がある
(ただし住民税は各自治体で控除額に違いがあるので注意が必要であり、住民税は別に申告の必要がある場合がある)
ウーバーイーツのみの場合は青色申告をした方が税金対策になることもある
場合によって青色申告特別控除を使った方がいいことがあるので検討しましょう。
社保の扶養から外れる場合があり注意
収入が130万円を超えると社会保険の扶養から外れてしまいます。
自分のスタイルに合わせてうまく調節して働くことで税金ともうまく付き合っていけるのではないでしょうか。
働く時間や、システムに振り回されず、うまく利用していきましょう。