会計処理改善の本質を理解し仕訳のスピードを劇的に改善する方法

仕訳の業務改善経理業務改善・効率化

仕訳のスピードアップにお困りではありませんか?

経理職の業務の中で、仕訳の記帳はかなりのウェイトを占めます。これを効率化することは、経理業務全体の時短を図る上で非常に重要です。もっと早くできないかと悪戦苦闘されている方も多いのではないでしょうか。

ここでは、仕訳を中心とした会計処理のスピードアップ方法についてご紹介します。だだしこれは慣れや科目コードの暗記によるスピードアップ、あるいは仕訳辞書登録によるショートカット、といったものではありません。

小手先のテクニックではなく、抜本的な改善方法を考えていきます。

むしろ仕訳そのもののスピードというより、仕訳を行う上での前提条件の見直しが重要といえます。

もっと言えば、なるべく仕訳しないということになります。なんのこっちゃとなりそうですが。笑

では、これから説明していきます。

仕訳による経理の業務改善・効率化の概要

まず既存の業務フローをあらためて見直してみる事からはじめます。会社の環境や会計ソフト、現在までの経緯も千差万別です。過去から引き継いできた業務の延長線上で行っているケースも多いでしょう。

これらが本当に最良のものであるかどうか、改善の余地があるかどうか、改めて考えてみましょう。きっと改善できる部分があります。

常にそもそも論で臨み、現在のものをいい意味で疑ってみる(クリティカルシンキング※)事により改善がもたらされます。具体的な方法等は後述しますが、それをヒントに現状を確認してみてもいいかもしれません。

徹底的な無駄や重複の排除がスピードアップにおいての鍵となります。

批判的思考(ひはんてきしこう)またクリティカル・シンキング(英: critical thinking[1])とは、あらゆる物事の問題を特定して、適切に分析することによって最適解に辿り着くための思考方法である。批判の定義については論者によって異なるが、共通的には、単に否定的になるのではなく、自身の論理構成や内容について内省することを意味する。その方法論としては、考察対象をよく理解すること、間違った推論を起こす暗黙の前提を明らかにすること、証拠について評価したり、循環論法や人身攻撃など論理的な誤りを避けるための誤謬についての理解といったこと。21世紀に入り、批判的思考を教育カリキュラムに取り込む動きがある。
引用元:wikipedia

改善を目指すべき理由と取り除くべき障壁

会社を運営していく上で、どのセクターにも言えることとして、「スピードは利益に直結」だとほぼ例外なく言えます。

ただしスピードアップすると言っても、従業員目線で見るのか経営者目線で見るのかで業務の捉え方が異なってきます。

従業員の立場

  • やり方を変えたくない
  • 間違えないように何度も確認したい
  • 経営者は現場の事をわかっていない
  • 上司がうるさいから波風立てたくない
  • 提案してもどうせ蹴られるから
  • 会社の利益なんかしったこっちゃないw

など様々な背景があるでしょう。

少し厳しいようですが、これらが改善においての最大の障壁といえます。どのような人でも、脳の潜在意識に現状を維持しようとするプログラムが埋め込まれているからです。これは心理学でいうクリエイティブアボイダンスといって、脳が現状を変えないための言い訳を作り出すのです。

そして結果的に、今までの延長線上で進めるのが一番楽だとなりがちです。でも、ちょっと待ってください。本当にそれでいいでしょうか。

少し違った視点で見てみましょう。

経営者の立場

  • 本当にその作業は必要なのか
  • もっと早くできるのではないか
  • 仕事のための仕事になってないか
  • 俗人化しているのではないか
  • 生活残業していないか←ヒドイw

などがあるでしょう。

いずれが正しいかの議論は差し置いたとしても、立場が変われば真逆の見方になる事はよくある話です。かと言って、何もそれらに盲目的に従ったり、ご機嫌取りすべきといった話ではもちろんありません。基本的に軸は「自分のため」でいいと思うんです。

ただし、損して得を取る、情けは人の為ならず、など(ちょっと違うか?汗)のことわざがあらわすように、巡り巡って自身の評価や出世にも影響を与えます。

営利企業のサラリーマンの立場でも、会社目線で物事を見る癖をつけていった方が、結果的に自分のためにもなっていきます。経理職においても、もちろん例外ではありません。

やはり現状維持したい潜在意識をねじ伏せ、徹底的に改善を突き詰めるべきだと思います。

何かを犠牲にする必要も出てきますし、初期は高い負荷がかかる場合もあります。長期的かつ本質的な視点で見ていく必要がありますし、場合によって痛みが伴います。

なかなかモチベーションを保ちづらいと思いますが、必ず将来の自分に返ってきます。早く帰れたり、評価や出世に繋がったりといった具合です。

モチベーションの話はここまでにして、よくスピードか精度か、などの議論があるかと思いますが、これらは二元論でどちらかを選択するすべき、といった話ではありません。どちらも必要といえます。

ただし、精度は後からついてくる面もあります。

ここでは一旦、精度やリスクマネジメントについては脇に置いて、まず取り組むべき改善は間違いなくスピードアップだという前提で考えていきます

具体的な経理業務の改善・効率化方法

では具体的にどうすればいいのか。どのような方法があるのか具体的事例を見ていきましょう。

1.経理業務の改善・効率化具体例(会計ソフトの見直し)

既存の会計ソフトが本当に業務に適しているのか見直してみます。例えば、販売管理ソフトとの連携、給与計算ソフトとの連携、ソフトの機能面の充実などにより改善を行うことができます。会計ソフトと他のソフトを同じメーカーで統一すれば仕訳の自動生成や取込が期待できます。

圧倒的に仕訳スピードと精度がアップします。

具体的には下記のようなそれぞれのソフトウェアの、メーカー統一化です。

EPR(基幹システム※)などのようにこれらが全て組み込まれているようなものもあります。

代表的なソフトウェア
・会計ソフト
・販売管理ソフト
・購買管理ソフト
・給与計算ソフト
・在庫管理システム
・生産管理システム
・受発注管理システム

ERPとは
Enterprise Resource Planningの略。総務、会計、人事、生産、在庫、購買、物流、販売などの基幹情報や経営資源を、統合的かつリアルタイムに処理する基幹業務システムを構築し、効率的な経営を図る経営手法のこと。生産管理の手法であるMRP(Material Resource Planning)を一般の企業経営向けに発展させたといわれている。
引用元:大塚商会様

また、会計ソフト単体で考えた場合も、優位性が増す場合があります。機能面では、下記のようなメリットにより業務改善が進むことがあります。

代表的な会計ソフトの便利機能
・売掛金回収予定などの機能による回収管理業務の効率化
・買掛金支払予定などの機能による支払業務の効率化
・資金繰り表作成
・手形やファクタリング等の期日管理
・経営分析ツール

なかなか手を付けづらい部分ではありますし、コストや移行の手間のかかる話ではありますが、長期的に見れば十分に検討に値する場合が多いです。

会計ソフトについては別記事で紹介していますのでご確認頂けますと幸いです。

個人的におすすめな会計ソフトの口コミ!実務家が実際の使用感を徹底比較!
会計ソフトって結局どれがおすすめなの?専門用語や情報が多すぎてわかりづらいですよね。会計や経理に20年ほど携わり、10社以上の会計ソフトを実務で使用してきた筆者が、業務で実際に使用した経験などから実際の使用感や個人的感想を記載。比較検討の参考にどうぞ。

2.経理業務の改善・効率化具体例(データの一元管理)

上で述べたように、会計ソフトとその他ソフトとの連携が取れれば理想的です。とはいえ現実的には、エクセルで管理しつつ同じ勘定残高を会計ソフトで管理したり、果てはエクセルが複数にばらけていたりといった事が見受けられます。

例えば、エクセルで売掛金の残高管理をしつつ、更に会計ソフトでも「補助」などの機能を使って顧客ごとの残高を管理していたり。

ダブルチェックという考え方もあるかもしれませんが、これは重複であり無駄です。また、間違いのもとです。一方を更新して、他方の更新が漏れる、といった事もありがちです。その場合の確認に無駄な時間もかかりますし、そうでなくても変更があった場合に更新が大変です。

つまり一元管理を基本に業務フローを構築するべきなんです。基本的に会計ソフトでできる事はほとんど集約させてしまった方がいいでしょう。エクセル無しでもいいくらいです。

逆に、販売管理ソフトなどで売掛金や買掛金の残高を管理しているような場合は、そちらを正にして常に正しく管理し、それを元に会計ソフトに入力すべきです。

売掛にしても買掛にしても手形にしても、それ以外のものも全て「残高管理表(内訳などを管理する表)」は一つで十分です。その前提でミスを防ぐ方法を考えるべきです。

3.経理業務の改善・効率化具体例(エクセル管理の追求)

エクセル管理は前に述べた通りできる限り排除すべきです。ただし、販売管理ソフトや給与計算ソフトから吐き出したデータを基に会計ソフトに入力するような場合もあります。その場合、逆に会計ソフトへの反映(入力)は結果だけにして、会計ソフトでの残高管理は放棄すべきです。

具体的に言うと、販売管理ソフトから吐き出してきた売掛金残高一覧表のようなものから仕訳を起こす場合、仕訳一本(売掛金××売上××)で入力すればいいです。合計値と残高のみ合わせます。厳密には消費税コードやセグメント(部門)などで複数行になるかもしれませんがここでは割愛します。

個別の内訳残高の管理は他ソフトや吐き出されたエクセルなどに譲ります。会社によっては自作のソフトなど、独自の管理ツールで管理する場合もあるかもしれません。エクセルやVBなどかもしれません。

いずれにしても、メインにする管理主体を絞って集中させることにより全体の作業時間は短縮されます。

4.経理業務の改善・効率化具体例(担当の縦割り)

会社の規模によっては、複数の経理担当者で業務を行っているかと思います。その場合、担当分けが行われます。この際に意識すべきは、作業の縦割りです。

具体的には、例えば、売掛金を担当するなら関連する作業の全てを最初から最後まで行うべきです。売掛金の残高管理、売上計上、入金記帳、といった具合です。販売管理ソフトなど複数のソフトウェアにまたがる場合も、全て担当すべきです。

これによりスピードと精度が増します。習熟度や理解も増し、また、責任の所在もはっきりするため、責任感も増します。

まとめ

今回は仕訳のスピードアップを中心とした業務改善についてご紹介しました。

見直すべき改善ポイントは大小含め本当に多岐にわたり、無限にあります。

スピードは利益です。どこまでも追求していきましょう。項目は追加があれば更新します。

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