フレームワークを上手にビジネスに活用されていますでしょうか?
問題の原因究明や解決方法を探る際に、フレームワークが非常に役に立ちます。
今回はフレームワークについて考えていきましょう。
そもそもフレームワークって何ですか?あまり耳慣れない言葉ですが。
フレームワークとは、解決したい事柄などを一定のルールに従った図や表などに記載し、可視化していく事で分析したり思考を深める上で非常に役立つツールの事ですよ。
一般的にビジネスシーンで用いられるフレームワークとは下記のビジネスフレームワークの事を言います。
ビジネスフレームワークとは?
ビジネスフレームワークとは、経営戦略や業務改善、問題解決などに役立つ分析ツールや思考の枠組みのことです。
問題解決や意思決定を必要とするときに、漠然と考えていたのでは時間がかかるうえに有効な手段や結果にたどり着けないこともあります。フレームワークは検討すべき項目やポイントをパターンとして落としこんで考えるための枠組みです。
フレームワークにはさまざまなものがあります。目的によって使い分けることで、目的を実現するためにすべき課題が見えてきます。
引用元:マナラボ様
なるほど。
ではどのようなフレームワークがあって、実務でどのように役立てる事が出来るのかを具体的に教えて頂けますか。
わかりました。
経験上から、フレームワークの中でも特に使い勝手が良いものをいくつかご紹介します。
さらに、実際の使い方やツールについても見ていきましょう。
フレームワークによる経理業務改善・効率化の概要と種類
フレームワークには様々なものが存在します。
言葉の定義は大変広く、一般的によく目にするものから、かなり特殊なものまで多岐にわたります。
有名なものを一部ご紹介すると、以下のようなものがあります。
・SWOT分析
・アンゾフの成長マトリクス
・PDCA
・マンダラート
・フィッシュボーンダイアグラム
・フローチャート
・ガントチャート
・ロジックツリー
・マインドマップ
PDCAやフローチャートなどはよく目にするのではないでしょうか。
また、経理や財務の職種であればSWOT分析を金融機関向けの提出資料で作成した経験があるかもしれません。
経理業務改善・効率化におすすめの最強フレームワーク2選
前項で紹介したフレームワークの中でも、僕が実際に実務で使用し、特に使いやすく効果が高いものをご紹介します。
ここで言う効果が高いとは、導き出す答えや考え方の質の高さです。
フレームワークの最大のメリットは、可視化することで頭の中を整理して思考を深められる事にあります。
思考には幅と深さがあり、また具体化と抽象化があります。
思考の幅とは考えの領域を増やす事であり、拡散思考により項目や種類などを広げていく事が重要です。
思考の深さとはそれぞれの項目についてより詳細に追及する事であり、より具体化したり本質を追及していく事が重要です。
思考を横に広げつつ縦に深めていくようなイメージです。
これらを進めていく中で、拡散したり収縮したりが繰り返され、ロジカルシンキングの基本とも言われる、いわゆるMECE(抜け漏れ重複なく)の考え方にも合致していきます。
MECE(ミーシー (Mee-cee); 英語: Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive (頭字語))とは、「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」を意味する言葉である。要するに「漏れなく・ダブりなく」という意味である。
引用元:wikipedia
また、拡散思考により項目を列挙していく中で、ある程度グルーピングできるようになります。これが思考の抽象化を助けます。
抽象化する事で全体像を把握し、いわゆる木を見て森を見ずのような状況に陥らずに済みます。
収束的思考(しゅうそくてきしこう)、そして拡散的思考(かくさんてきしこう)とはアメリカの心理学者ジョイ・ギルフォードが提唱した概念である。
人間の思考について研究を行ったギルフォードによれば、人間の思考には2つの側面があるとしている。1つは既知の情報から論理的に思考や推論を進めていき、唯一の正解に正しくそして早く到達するための収束的思考、もう1つは既知の情報から様々に考えを拡散させ(めぐらせ)、新たな物を生み出していく拡散的思考である。
引用元:wikipedia
・・・・・うーん。
理屈はわかりましたが、頭で理解しても実務で使えなければ意味が無いので早く使えるフレームワークと具体的な使用方法を教えてください。
で、ですよねー!笑
はいすいませんでした。
ゴタクはここまでにして、具体的に見ていきましょう。
ロジックツリー
まず一つ目はロジックツリーです。
個人的にはこれが最もお勧めしたいツールです。
ロジックツリーとは
直訳すると「論理の木」で、問題をツリー状に分解し、その原因や解決策を論理的に探すためのフレームワークです。
引用元:infinity-agent Lab様
ロジックツリーが最大に効果を発揮するのは、問題の原因究明と、問題解決策の追求です。
使ってみるとわかりますが、何もツール無しで頭で考え続けるのと別次元の回答が出てくる事が多いです。
人は一日に4万回とか、6万回とか、諸説ありますがそれほど多くの思考をしているなどと言われています。
ツールで可視化する事で、人間の思考がいかにループしているかに気付くでしょう。
また、部分に集中して考える事の重要さにも気づきます。
思考を整理する事は思っている以上に難しいのです。
原因追求型のロジックツリーではWHY(なぜ)を繰り返します。
一方で、問題解決型のロジックツリーではHOW(どうやって)を繰り返します。
ロジックツリーは横型に使われる事が多いですが、僕は縦に使う事も多いです。
思考の幅(横)と思考の深さ(縦)をイメージし易い気がして馴染みやすかったからですが、どちらでも構わないと思います。
ではそれぞれ見ていきましょう。
原因追求型ロジックツリー
まず主題(ここでは問題)を決め、項目を増やしつつ、どんどん「WHY(なぜ)」を繰り返していきます。
言わずと知れた日本を代表する企業であるトヨタでもWHYを5回繰り返すなどと言われています。
まずは項目を列挙する事に集中し、そこから深めていきます。
すぐに深めていきたい衝動に駆られますが、まずは項目の列挙に集中してください。
作成していく中で追加項目に気付いたら追加し、それについても深めていきます。
作成例
この記事を書きながら簡単に作ってみましたが、イメージはこのようになります。
実際にはより詳細に時間をかけて作ってみるといいです。
誰かに意見を求めたり、一晩寝かせてまた翌日眺めてみるなども有効でしょう。
問題解決型ロジックツリー
過程は原因追求型と同じですが、この場合は「HOW(どうやって)」を繰り返していきます。
進め方も同じです。
作成例
主題なめてんすか?って思われるかもしれませんが、僕にとっては至ってマジメでございます。笑
ただし細マッチョでいいのでロナウドほど大きくはならなくていいです。笑
実際にはもっと掘り下げられるところまで掘り下げましょう。
また、全ての項目を同じ階層まで掘り下げる必要はありません。
作成過程で本質や優先順位が見えてきます。
今回ロジックツリーでご紹介した画像は、後程ご紹介するツールで作成したものです。
フリーソフトで非常に便利です。
マインドマップ
二つ目はマインドマップです。
マインドマップ(英: mind map, mindmap)とは、トニー・ブザンが提唱する、思考の表現方法である。頭の中で考えていることを脳内に近い形に描き出すことで、記憶の整理や発想をしやすくするもの。
引用元:wikipedia
ロジックツリーもマインドマップの一種として捉える向きもあるようですが、個人的には分けて考えています。
マインドマップはより漠然としたテーマについて思考を拡散させ自由に発想していく場合に向いています。
脳の構造と似た作りになっており、記憶や発想力、理解などを助けると言われています。
主題とする概念を中心に置き、自由に発想を広げていき、そこから更に枝分かれさせて広げていきます。
画像参照元:MAPLOG様
このマインドマップも好んで使いますが、非常に効果が高いです。
あの「まこなり社長」も絶賛していたようです。
経理業務改善・効率化に役立つおすすめフレームワーク作成ツール
エクセルやパワーポイントのSmartArtで作成してもいいと思います。
見た目は非常に綺麗に作成できます。
ただし、個人的には以下のX-MINDをお勧めします。
無料で使えますし、使い勝手が異次元です。
考える時間を除けば、パワポやセクセルの半分以下の時間でできそうです。
その名の通り基本的にはマインドマップを作製するツールですが、上で紹介したロジックツリーもこちらで作成しております。
複数のフレームワークのテンプレートがついており、いろいろ作成できます。
他にも多くのフリーソフトがあります。
「マインドマップ ソフト フリー」などで検索すれば見つかります。
ご自身に合うものを探してみて下さい。
まとめ
今回はフレームワークについてご紹介しました。
おそらく使い始めてすぐに便利さと効果の高さに気付く事ができます。
これらは使い慣れていくと、より思考にもマッチしてさらに発展的な効果を生み出していきます。
また、これらは思考を助けるばかりでなく、説明資料としても非常に優秀なんです。
上司や経営者への報告や、会議のアジェンダに添えるだけで説得力が増したり理解を助けます。
可視化は力です。
ぜひ使いこなしていただき、仕事の質を高めてみて下さい。