法人や個人事業主の経費削減策の一つに、法人ETCカードを使った旅費交通費の削減があります。
この記事では、法人ETCカードを使った経費削減を実施する際の参考にしていただくために、詳細に比較してご紹介します。
営業車での営業活動が中心の場合、たいていは高速代が高額になるため、これを見直すことは高い経費削減の効果が見込めます。
特に協同組合の法人ETCカードを利用した経費削減は非常に高い効果が見込めます。
実際に過去の実務経験から、過去に法人ETCカードを見直すことで、月額数十万円の法人ETCカードの費用が1~2割程度安くなった経験があります。
また、新設法人の場合、信用が得られずクレジット機能付きのカードが発行できない場合があり、ETCカードの発行を断念するケースも多いのではないかと思います。
ここでご紹介する法人ETCカードはクレジット機能もありません。新設法人でも安心して発行する事が可能です。
おすすめ法人ETCカードの種類と比較表
内容 | 法人ETCカード コーポレートカード | 法人ETCカード セディナカード | 法人ETCカード ブラックカード | 法人ETCカード UCカード |
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カード外観 |
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ご利用主体 | 法人・個人事業主 | 法人・個人事業主 | 法人・個人事業主 | 法人・個人事業主 |
クレジット機能 | クレジット機能なし | クレジット機能なし | クレジット機能なし | クレジット機能なし |
ETCマイレージ | なし | あり | あり | あり |
ETC割引 | 休日割引 | 30% | ||
深夜割引 | 30% | |||
平日朝夕割引 | 30%~50% | 50% | なし | なし |
首都・阪神高速など利用料に応じ追加割引 | 10%~20% | なし | なし | なし |
車両限定 | あり | なし | なし | なし |
手数料 | 無料 | 8% | 8% | 8% |
出資金 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
カード発行手数料/1枚毎 | 629円 | 550円 | 550円 | 550円 |
カード取扱手数料/年×枚数 | 629円 | 550円 | 550円 | 550円 |
お支払い | 末締め翌々8日引落 | 末締め翌々8日引落 | 末締め翌々8日引落 | 末締め翌々5日引落 |
申込先 | コーポレートカードのお申し込みはこちら | セディナカードのお申し込みはこちら | ブラックカードのお申し込みはこちら | UCカードのお申し込みはこちら |
上記のようにそれぞれの特徴があります。
詳細を比較検討の上、利用額や状況に応じて自社に合ったカードをご選択いただくといいとでしょう。
コーポレートカードは車両に制限があり登録した車両以外で使えませんが、最も有利な条件だと言えます。
1台に1枚カードをご用意可能な場合は、コーポレートカードをおすすめします。
カード枚数が増加すると1枚につき数百円の維持費が追加でかかりますが、管理の手間や割引率の大きさを考えると、維持費をはるかに上回るメリットがあるのではないかと思います。
ETCコーポレートカードはNEXCO(ネクスコ)が発行するカード
発行元通称 | 法人名 | 事業区域 |
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NEXCO東日本 | 東日本高速道路株式会社 | 北海道・東北・関東・新潟・信越の一部 |
NEXCO中日本 | 中日本高速道路株式会社 | 関東・東海・甲信の一部・北陸 |
NEXCO西日本 | 西日本高速道路株式会社 | 関西地方・中国地方・四国地方・九州・沖縄 |
ETCコーポレートカードは、対応エリアに応じて上記の各発行団体が発行する法人・個人事業主向けのETCカードです。
ただし、一定額の保証金の支払いが必要になってまいります。新設法人や資金繰りに余裕がない場合は大きな負担になる場合があります。
そこで、次の項目では、協同組合を介する事で保証金問題を解決するメリットを説明いたします。
発行元によるETCコーポレートカードの違い(NEXCOと協同組合)
内容 | NEXCO | 協同組合 |
---|---|---|
保証金 | 月額利用料の3~4ヶ月分 | なし |
出資金 | なし | 10,000円 |
利用料に応じた割引 | 10%~20% | 10%~20% |
手数料 | なし | なし |
結論から申し上げますと、上記の比較表からわかる通り協同組合を利用しての発行をおすすめします。
ETCコーポレートカードを協同組合を通さずにNEXCOに直接申し込んだ場合、高額な保証金を支払う事になるからです。
初期費用が負担になる場合は、共同組合を通して発行する方が有利と言えます。
ただし、この保証金や出資金はいずれも解約時には返還されます。費用ではありません。
クレジット機能の有無による法人ETCカードの特徴の違い
ETCカードの特徴についてあらためておさらいしておきましょう。
ETCカードにはクレジット機能のあるものと無いものがあります。
それぞれにメリットやデメリットがあるため、念のため確認しておきましょう。
法人ETCカードのメリットやデメリット(クレジット機能あり)
・審査が厳しい
・新設法人や赤字企業の場合はカードが発行できない
・支払をクレジットにまとめると管理が楽になる
・年会費が不要な場合が多い
最大の特徴はやはり信用がまだ構築されていない企業の場合、発行が難しいという事があげられます。
一方で、管理する支払先が多くなると煩雑になるため、もともとあるクレジットカードなどと共にまとめられるメリットがありそうです。
法人ETCカードのメリットやデメリット(クレジット機能なし)
・10,000円程度の出資金が発生
・カードごとに500円程度の年会費が発生
・信用を得られにくい新設法人や赤字企業でも発行可能
・割引が非常に大きい
やはりクレジット機能なしの法人ETCカードの最大のメリットは割引額の大きさと言えそうです。
また、新設法人や業績の思わしくない企業であっても発行が可能である点が挙げられます。
これらの特徴を踏まえ、状況に応じてカードを選ぶといいでしょう。
ETCコーポレートカードは不正防止にも役立つ
ETCコーポレートカードの特徴の一つとして、車両の限定があります。
これは逆説的にとらえると他の車両でつかえないため、仮に他人が手にしても使用できないとも言えます。
特定の車両でしか使えない不自由な面がある一方で、不正利用を防止するメリットとも言えます。
協同組合発行のETCカードは発行までの日数が短い
協同組合が発行するETCカードは、発行までのスピードが非常に速い事も特徴の一つです。
クレジットつきのETCカードの場合3週間~1ヶ月程度かかります。
一方、協同組合発行の法人ETCカードは早ければ10日程度で発行されます。
少しでも早く割引のメリットを享受できるため、これも大きなメリットの一つと言えるでしょう。
法人ETCカードは新設法人や個人事業主でも発行可能
ここまでご紹介してきた法人ETCカードは設立したばかりの法人や、個人事業主でも発行可能です。
業種により個人事業主でもかなりの事業規模になる場合があります。
また、自動車での移動が中心になる場合、高速道路の利用がかなりの金額におよぶことがあります。
そのような場合は経費削減の手段として非常に有効になってきます。
まとめ
この記事では法人ETCカードについてご紹介いたしました。
高速道路の利用料を法人ETCカードで決済する事で、現金精算のストレスからも解消され、業務の効率化を図ることができます。
また、既に述べてきた通り、非常に高い経費削減の効果も得られます。
ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。