タイトルの通りですが、今回はみなさんの関心が非常に高い持続化給付金の重複適用についてご紹介します。
結論から申し上げますと、地方自治体と経産省の制度で重複適用はありえます。
ただし全ての自治体で可能と言う事ではありません。
どういう事なんでしょう?そんな事できるんですか?
地方自治体によります。
例えば福岡県の場合、基本的には国の支援対象でないことが申請の条件です。
しかし先に30%減などの基準で県の給付金申請をし、さらに売上50%減により国にも申請した場合は、返還を求めないという事になっています。
二重取り可能なんです。
これは事務の対応が間に合わなかった事に起因する場合もありますし、自治体ごとのカラーも異なりますから、残念ながらいわゆる「不公平」ともとれるような差が生じています。
しかしこれは致し方ない面もあります。
自治体の財政状態も様々ですし、舵取りも千差万別なんです。
休業に対する補償も自治体により大きく開きがあります。
背景はともかく、受給できるものは頂きたいのが心情だと思います。
それでは、さっそく具体的に見て参りましょう。
重複適用(二重取り)の概要
基本的には重複適用は不可となっている自治体が多いです。
しかし、例えば福岡県は容認しているようです。
また、宮崎県小林市、鹿児島県鹿児島市なども重複適用可能としているようです。自治体によりますので調べてみる必要があります。
情報のソースはこちらです。(以下の30日は5月30日です)
では、違法でもグレーでもなんでもなく普通に申請可能なケースがあるのですね。
おっしゃる通りです。
ただし、先に経産省の給付金を申請している場合はこの限りではありません。そもそも申請が認められません。
では福岡県などでこれから申請する人はチャンスですね!実際の金額はどのくらいなんでしょうか?
これは普通にチャンスです。
見過ごせませんよ。笑
では金額を見ていきましょう。
持続化給付金給付上限額
福岡県を例に取ると、金額の上限は下記のようになっています。
請求者 | 経産省 | 福岡県 |
---|---|---|
法人 | 200万円 | 50万円 |
個人事業主 | 100万円 | 25万円 |
事業規模によっては高額ではありませんが、個人事業主や零細企業の方にとっては侮りがたい金額の場合もあります。
給付金支給条件
基本的に支給条件は「国の持続化給付金の対象にならないこと」としている場合が多いようです。
つまり、国に申請できない場合に利用する目的とし、国の制度に該当する場合はそちらを申請してくださいのスタンスになっています。
ポイントは、県や市で20%や30%の売上減を基準とした制度となっているかです。
基準が50%減になっている場合は国と同じになるため、重複不可となる場合がほとんどだと言えます。
福岡県 給付対象
2020年1月以降、申請日の属する月の前月までの期間(以下「対象期間」という。)のうち、ひと月の売上が前年同月比30%以上50%未満減少した月があること。
• 対象期間のうち、前年同月比50%以上減少した月がひと月もないこと。
• 国の「持続化給付金」を申請していないこと。
引用元:福岡県
そもそもの支給基準が国と同様の基準の場合は、基本的に自治体の重複適用はありません。しかしこれは「意味のない制度」になっている気がしてなりません。
通常は経産省の方が条件がいいですし、同じ支給基準で下位互換であれば正直なところ何のために制定しているのか理解に苦しみます。
新規開業について
経済産業省のページにあるよくあるお問い合わせページに、新規開業について下記の通り記載があります。
Q3.今年創業したが対象になるのか。(昨年創業の場合は申請要領を確認のこと)
~~回答一部省略~~
※2020年1月から3月に創業した方についても、新たに持続化給付金の対象とする予定です。6/22現在、鋭意準備を進めているところであり、詳細については、決定し次第発表いたしますので、しばらくお待ちください。
引用元:経済産業省
その他の制度
これらの持続化給付金の他に、休業支援を目的とした家賃支援金などがありますが、自治体により大きく異なります。
ここで注意は、休業要請した対象業種でなくても場合によって支給される可能性があるという事です。
例えば美容室などは休業要請の対象外の業種ですが、自治体によっては休業の程度によって認めるケースも実際に耳に入ってきました。
問い合わせてみる価値はあるかもしれません。
さらに過日、家賃支援給付金を盛り込んだ予算が閣議決定されました。
持続化給付金と同様に売上50%減(1ヶ月)や30%減(連続3ヶ月)を対象に、家賃×2/3×6ヶ月分の支給としているようです。
家賃支援給付金については、こちらの記事で紹介していますのでよければご覧ください。
(都度更新します)
この大変な時期ですから、いずれも取りこぼしの無いようにご注意頂き、定期的に確認の上申請していきたいですね。
まとめ
持続化給付金の重複適用について、簡単ですが記事にしてみました。
コロナウィルスによる経済活動の低迷は今後も続いていくと見込まれています。
直ちに元通りにはならないでしょう。
手許資金は少しでも厚い方がいいです。
政策金融公庫の融資や倒産防止共済(加入があれば)なども活用しつつ、この苦境を乗り越えていきたいものです。
逆に貸倒れによる損失などにも十分に気を付けましょう。
貸倒れについては過去に記事にしました。よければ参考にして下さい。
SNSなどでは、淘汰されて新陳代謝すべきなどといった辛口な意見も散見されますが、僕はそうは思いません。
今の環境は自然災害と同様です。災害時に倒産するのは仕方ないだろうとはなりません。
怠慢経営で失墜するのとはわけが違います。
簡単ですが以上になります。また気になることがあれば記事にしてみたいと思います。
最後までご覧頂きありがとうございました。