この記事では、一人合同会社であっても税理士さんとの顧問契約が必要かということについて説明いたします。
結論から申し上げますと、たとえ設立した法人が一人合同会社であっても、税理士さんとの契約は必要です。
ここでは、その理由や、顧問契約の際のメリットやデメリットについてまでわかりやすく解説いたします。
私は、会計事務所に長く勤務した経験や、合同会社の代表社員の経験などがあります。
豊富な実務経験をもとに記載しておりますので、ぜひ参考にされて下さい。
一人合同会社でも税理士さんとの顧問契約が必要な4つの理由
設立した会社が一人合同会社でも税理士さんとの契約が必要です。
ただし、税務申告だけのためであれば、場合によっては年に一度だけの依頼(決算期だけ依頼する「年一(ねんいち)」)でもいいかもしれません。
いずれにしても契約は必要ですので、その理由について説明いたします。
一人合同会社も税理士が必要な理由① 法人格を得る
合同会社や一人会社であっても、「法人格を有する」という部分では、大規模の株式会社などと、全く変わりがありません。
つまり、同様のルールで運用しないといけない部分が非常に多くあります。
極めて小規模なのに実態に即していないではないか、という意見も聞こえてきそうですが、ルールなので仕方ありません。
会社を設立して法人で運営するという事はそういうことなのだ、それ相応の覚悟が必要なのだということで理解するしかありません。
一人合同会社も税理士が必要な理由② 税務申告が必要
合同会社もその他の法人格と同様に、法人税の税務申告が必要です。
法人税の申告は税務署に対して毎決算期ごと(決算の2ヶ月後)に提出しますが、これには専門的な知識とソフトウェアが必要です。
この部分が最大のネックになるといっていいでしょう。
数万円で法人税のソフトを購入し、ご自身で勉強しつつ申告する事もできなくは無いですが、経験者の立場から言うと、正直かなり難しいです。
間違える可能性もすごく高いので、依頼すべきと言えます。
一人合同会社も税理士が必要な理由③ 決算書の作成
一人合同会社であっても、会社法の規定により計算書類の作成が必要です。
先程の税務申告書への添付も必須となっていますが、そうでなくても基本的に作成が義務付けられています。
いわゆる、損益計算書や貸借対照表などの決算書と呼ばれているものの類です。
これらの決算書の作成には、当然ながら公的書類としての精度が求められるため、専門家へ依頼するのが理想的です。
また、これらは資金調達の際の要となります。
良い決算書を作る上でも、専門家のアドバイスは十分に頂きたいところです。
一人合同会社も税理士が必要な理由④ 社会的信用を得る
法人設立のメリットの一つに、社会的信用があります。
合同会社は社会的信用という意味で、株式会社に比べいささか劣る面あるありますが、例えば対金融機関などの心象としては、税理士さんと顧問契約しているだけでも好印象を与える事ができるでしょう。
また、これはかなり未知数ではありますが、税理士さんに依頼している(税理士さんのお名前で申告する)ということで、税務調査が少し入りづらい面があります。
一人合同会社が税理士さんと顧問契約するメリット・デメリットをご紹介します
ここまで、一人合同会社であっても顧問契約が必要だと説明してきましたが、顧問契約にはメリットやデメリットがあります。
それぞれご紹介しますのでご参考にされてください。
なお、多少の主観も入っておりますのでその点はご了承ください。
一人合同会社が税理士さんに依頼するデメリットを4つ紹介します
・何を質問していいかわからず有効利用できない
・相性が悪いと苦しむ可能性がある
・ほとんど取引が無くても高額の報酬が必要
・杓子定規的なアドバイスになる可能性がある
一人合同会社の場合は特に小規模のため、あるいは知識や経験も少ないため、上記のようなデメリットが目立つ傾向があります。
しかしこれは初期の頃はどうしても仕方がない事で、通るべき道とも言えそうです。
ほぼ選択肢が無いと言えるので、その前提でどうすればよい環境に持って行けるか、良い結果を生み出せるかを考えていきたいところかと思います。
一人合同会社が税理士さんに依頼するメリットを5つ紹介します
・税務申告をお任せできる
・節税のアドバイスをもらえる
・資金調達など財務面のアドバイスをもらえる
・金融機関や事業者を紹介してもらえることがある
・税務調査の立会いしてもらえる
一人合同会社に限らずという内容が多いですが、税理士さんに依頼する場合、上記のようなメリットがあります。
もちろん節税も大切ですが、事業を継続的に発展させたい場合には、融資の取り組みや財務面の管理も非常に大切です。
これらもアドバイスにも専門的知識をもって対処して頂ける場合が多いです。
また、万が一税務調査の際には、立ち会っていただいたり、税務署と交渉していただけたりもします。(契約内容により有償かもしれません)
今ご自身が割けるリソースを考えた場合に、有償でも税理士さんにお願いしてご自身は本業に専念するメリットは大きいです。
また、将来の事業規模拡大や、発展を目指す場合にはやはり税理士さんに依頼するのが理想的ではないでしょうか。
一人合同会社で税理士さんがお決まりでない方に
税理士さんがお決まりでない場合は、知人にご紹介頂いたり、金融機関や商工会議所などでご紹介頂いたりなどにより選択する方法があります。
もし何もそれらの手掛かりがない場合には、税理士さんの紹介サービスがあります。
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以下でご紹介していますのでよければご覧ください。
【まとめ記事】
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【口コミ記事】
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一人合同会社にも税理士さんが必要かのまとめ
この記事では、一人合同会社の場合でも税理士さんとの契約が必要かどうかについて解説しました。
説明してきた通り、多少のコストはかかるものの、やはり専門的分野は税理士さんに依頼しつつ事業の発展を目指していきたいですね。
メリットやデメリットなど確認の上、ご自身の状況にあった判断をしていただけたらと思います。
おまけ
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是非一度ご覧いただけると幸いです。