補正予算が成立し、事業者を対象とした新たな給付金である事業復活支援金が正式に閣議決定されたため、支給時期や金額などわかりやすく解説します!(2022年1月31日更新)
これまでも補助金や給付金など各種の措置がありましたが、以前あった持続化給付金や家賃支援給付金に続く、予算的には明らかに大型の給付金です。
しかし、限度額の250万円という情報ばかりが独り歩きしている感がありますが、これは一部の法人に限られるため、確認しておきましょう。
また、個人事業主の限度額は最大50万円になっているため、あわせてご確認ください。
事業復活支援金の支給要件は売上30%以上の減少!まずは概要を確認!
新型コロナウイルスの感染症により事業活動に影響を受けた中小企業やフリーランスなどの個人事業主などの事業者向けの支援金で、コロナ禍で事業の継続や回復を支援するための支援金です。
その名の通り、これを活用して事業を復活させる手助けにしたい意図があります。
経済産業省の外局である中小企業庁の主導で行われる給付金で、11/19日の国会で閣議決定されました。
具体的な支給額や支給開始時期などをわかりやすく、かつ詳しく解説しますのでご確認ください。
まず最初に、支給対象から確認しておきましょう。
- 中小企業(中堅・中小・小規模事業者)
- フリーランスを含む個人事業者
上記の事業者のうち、2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上が30%以上減少している事業者が対象です。
また、30%以上50%未満の減少幅の場合と、50%以上減少している場合は、それぞれ限度額が異なる予定になっており、後ほどくわしく説明します。
一時支援金などと違って対象者の業種やロックダウンなどの制作に関係なく支給されるため、原則的な支給要件は緩和されているといえます。
事業復活支援金の申請開始はいつから?開始時期や振込までの期間を紹介
事業復活支援金はいつから申請できるのか、また、どのくらいの期間で支給されるのでしょうか。
申請開始の時期や振込までの期間などについて解説します。
事業復活支援金の申請開始は2022年1月31日から!
事業復活支援金の申請受付開始は、2022年1月31日申請受付が開始されました。
支援事業の運営業者は、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社です。
また、2022年1月24日の週に制度の詳細が公表されています。
申請は簡単で、制度としてはこれまでの給付金と似ていますが、少し異なる部分もあるため解説します。
事業復活支援金の申請時の事前確認とは?
事業復活支援金の申請においては、月次支援金と同様に、事前確認を必要とします。
事前確認とは、金融機関や税理士さんなどの士業や商工会議所などの『登録確認機関』による確認をいいます。
具体的には、事業を実施しているか、給付対象などを正しく理解しているかなどを確認する手続きです。
これにより不正受給などを未然に防ぐことを目的としています。
なお、登録確認機関はホームページ上などで確認できるようにされる予定になっています。
事業復活支援金の申請方法と審査方法
- 確定申告書
- 売上台帳
- 本人確認書類の写し
- 通帳の写し
- その他中小企業庁が必要とする書類
事業復活支援金の申請は電子申請に限られ、専用サイトへの会員登録が必要になります。
また、主に売上の減少に対して行われるため、上記のような書類を提出する事になります。
これらを提示し、実際に売上が減少している事を証明する必要があります。
事業復活支援金の申請から振込までの期間
なお、申請受付から支給までは2週間以内として運営側の事業者を募集しているため、受理されてからは2週間程度で振り込まれる可能性が高そうですね。
すぐに申請できるように、あらかじめ対策や準備をして理想的な状態で申請できる態勢を構築しておきたいですね!
前年同月比とするにしても、どの月を対象として申請するかなどの精査が必要ですので、あせらずに済むように準備しておきましょう。
事業復活支援金でいくらもらえる?計算方法を実例付きで解説します!
事業復活支援金の支給額の計算は、売上の減少を基準にしています。
その際にいつと比べて減ったのかという事が問題になりますが、前年又は前々年と比較する事ができます。
事業復活支援金の支給額の計算方法
比較時期(前々年) | 比較時期(前年) | 対象月(現在) | 比較パターン | |
---|---|---|---|---|
2019年11月 | 2020年11月 | 2021年11月 | ①前々年と比較 | ②前年と比較 |
2019年12月 | 2020年12月 | 2021年12月 | ③前々年と比較 | ④前年と比較 |
2020年1月 | 2021年1月 | 2022年1月 | ⑤前々年と比較 | ⑥前年と比較 |
2020年2月 | 2021年2月 | 2022年2月 | ⑦前々年と比較 | ⑧前年と比較 |
2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 | ⑨前々年と比較 | ⑩前年と比較 |
事業復活支援金の支給対象になるかどうかは、上記のように比較パターンが多く考えられます。
対象になる場合は具体的な計算に移りますが、これまでの給付金と計算過程が少し異なりますので注意が必要です。
事業復活支援金の支給額は、以下のように計算されます。
比較対象は、前年又は前々年の売上と比較することとされており、いずれか差額の大きい方と、対象月のうち最も小さい売上の月で比較する事で最大化可能だと考えられます。
整理すると、以下のように選択する事で最適化されますが、その前に上限額に達する事もあるため、①まずは最初に対象になるかどうか、②次に上限額を計算し、③その後に具体的な計算をする事をおすすめします。
事業復活支援金の支給額をシミュレーションしてみました
(基準期間)
2020年11月の売上高:100万円
2020年12月の売上高:110万円
2021年1月の売上高:95万円
2021年2月の売上高:105万円
2021年3月の売上高:120万円
合計:530万円
(対象月)
2021年11月の売上高:65万円
※30%超減少
具体的計算
530万円-(65万円×5)=205万円
※ただし、限度額まで
計算自体はシンプルで、上記のようになっています。
ただし、限度額を超えて支給されることはありません。
そのため、次に限度額について確認しておきましょう。
事業復活支援金の支給限度額を法人と個人事業主のそれぞれで紹介!
区分 | 支給上限額(売上減少30~50%) | 支給上限額(売上減少率50%以上) |
---|---|---|
法人 | 60万円~150万円 | 100万円~250万円 |
個人事業主 | 30万円 | 50万円 |
支給額について限度額が設定されますが、事業復活支援金では売上規模による分類がされるものとされています。
おおまかに表にすると上記のとおりです。
なお、個人事業主については少し取り扱いがことなるため、より詳しく、それぞれ確認しておきましょう。
法人の事業復活支援金の支給限度額
売上減少率 | 年間売上規模(年商) | 支給上限額 |
---|---|---|
50%超減少 | 5億円以上 | 250万円 |
1億円以上5億円未満 | 150万円 | |
1億円未満 | 100万円 | |
30%以上50%未満減少 | 5億円以上 | 150万円 |
1億円以上5億円未満 | 90万円 | |
1億円未満 | 60万円 |
法人の場合の事業復活支援金の支給額は上記のようになっています。
30%~50%未満の場合は、50%以上に比べて6掛けの支給額になるようです。
フリーランスなど個人事業主の事業復活支援金の支給限度額
売上減少率 | 支給上限額 |
---|---|
50%超減少 | 50万円 |
30%以上50%未満減少 | 30万円 |
個人事業主の場合の事業復活支援金の支給額は上記のようになっており、事業規模に関わらず一律の支給額です。
ただし、減少率によってこちらも法人同様に6掛けの支給額になっています。
事業復活支援金についての2つの基礎知識
事業復活支援金について、他にもこれまでと少し違う点など注意したい点があります。
重要な基礎知識を2つ紹介します。
事業復活支援金は月次支援金と違い業種や地域のしばり無し!
事業復活支援金では、月次支援金などと違い業種や地域によるしばりは一切ありません。
売上の減少が確認できれば、どのような事業でも、どの地域でも対象になります。
かなりの広範囲に支給される可能性が高く、概算で370万件の申請を想定しているようです。
(持続化給付金は440万件の申請実績)
事業復活支援金は今年開業の事業者も対象になるの?(新規開業特例)
事業復活支援金が新設法人や開業したばかりの個人事業主も対象になることが決定しました。
開業したての場合は上記の特例によるため、上記のように計算が少し異なります。
また、申請開始が2月18日からの予定になっており、注意が必要です。(2022年1月31日現在)
なお、事前確認による手続によるため、開業届が無いことから支給されないというような事態は起こらない仕組みになっています。
事業復活支援金について動画で確認されたい方はこちら
なお、動画で確認されたい方は上記の動画でくわしく解説しておりますのでよければご確認ください。
説明内容自体は同じものですが、活字で読むよりは、少しとっつきやすいかもしれません。
事業復活支援金についてまとめ
この記事では事業復活支援金について解説しました。
細かい点は決定した時点で随時更新しますが、現時点で判明している情報によっておりますので、その点ご理解の程よろしくお願いします。
なお、申請にあたっては税理士さんなどの専門家に依頼する事もおすすめです。
税理士さんを探す方は以下の記事が参考になりますのでぜひご確認ください。